道徳「特別教科化」の歴史的課題 行安 茂著 - 北樹出版の大学教科書

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道徳「特別教科化」の歴史的課題

道徳「特別教科化」の歴史的課題
近代日本の修身教育の展開と戦後の道徳教育
行安 茂
価格: 3,800円+税

商品の紹介

道徳が「特別教科の道徳」となるという意味は何か。道徳教育の歴史として、修身教育や教育勅語の役割や実際を明らかにしながら、戦後の道徳教育をも再検討する。今後の道徳教育を考える視点を提供する。



  第一部 近代日本の修身教育と教育勅語――自由主義の導入と国家主義
第一章 教育勅語渙発以前の洋学の導入と儒教の再評価
   一 明治前期における洋学受容とその推進者たち
   二 教育勅語成立の背景と儒教の再評価
   三 修身教育の先駆者・西村茂樹と中村正直
第二章 教育勅語と修身教育
   一 教育勅語と国定教科書制度
   二 修身教科書とその内容
   三 明治三〇年代の思想動向と自由主義の台頭
第三章 「哲學館事件」と文部省の対応
   一 「哲學館事件」とは何か
   二 ミュアヘッド倫理学説の問題点は何であったか
   三 文部省の疑問に対する中島徳蔵の弁明
   四 文部省の処置に対する社会的反響
第四章 大正期の修身教育と自由主義
   一 明治後期から大正初期にかけての修身教育
   二 デューイの来日とその道徳論
   三 大正期の教育改革と自由主義
第五章 大正期の修身教育と川井清一郎訓導事件
   一 川井訓導事件とは何か
   二 川井の道徳教育観と補助教材
   三 「護持院原の敵討」の概要
   四 川井の修身授業と休職処分
第六章 昭和初期の修身教育と国家主義の台頭
   一 昭和初期の時代と修身教育の課題
   二 昭和六年度の修身教科書巻六の内容と忠孝の道徳
   三 森信三の修身授業と師範学校の教育
   四 国家主義の台頭と河合栄治郎
第七章 戦時体制下の学校教育と愛国心の高揚
   一 国民学校の時代と修身教育
   二 昭和一七年度の修身教科書と修学旅行
   三 大東亜共栄圏時代の到来と修身教育
   四 戦争末期の中学校教育と学徒動員
第八章 近代日本の修身教育と教育勅語――自由主義の導入と国家主義
   一 明治前期の教育制度
   二 自由主義の導入と「哲學館事件」
   三 大正期の自由主義教育と川井清一郎訓導事件
   四 昭和初期の修身教科書と教育勅語

  第二部 戦後の道徳教育と「特別の教科 道徳」への展望と課題
第一章 終戦直後の教育改革とGHQ
   一 安倍能成文部大臣とアメリカ教育施設団の来日
   二 6・3・3制の教育制度とその問題点
   三 民主主義とは何か
   四 進駐軍夫妻を助けた中学校三年生
第二章 戦後道徳教育の先駆者――平野武夫と山田孝雄
   一 関西道徳教育研究会を立ち上げた平野武夫
   二 戦後道徳教育の空白期と関西道徳教育研究会の役割
   三 平野武夫の価値葛藤論
   四 日本道徳教育学会の設立と山田孝雄
   五 山田孝雄の人と倫理思想
第三章 倫理学から見た道徳の内容とその問題――四つの視点の関連性と体系性
   一 生活習慣と成長の過程
   二 思いやりと自律
   三 生命の崇高さと生きる力
   四 自由、幸福、正義
第四章 道徳的価値の自覚とその段階
   一 幼少期の経験と成長の原点
   二 少年期の反抗と自己実現の契機
   三 二〇歳前後の挫折と価値観の形成
   四 価値意識の芽生えとその発展
第五章 野口英世の生き方と自己実現
   一 野口英世の資料を使った道徳授業を見学して
   二 野口英世の生き方とその推進力
   三 野口英世の生涯を支えた人々
   四 K・ホーニィの理論と野口英世の自己実現
第六章 自己の善と他人の善
   一 「手品師」の資料をどう読むか
   二 自己の善と他人の善との葛藤をどう解決するか
   三 論理学では約束の履行はどのように考えられたか
   四 約束、自由、幸福の再検討
第七章 生きる力と生命論理の原則
   一 生きる力と生命への畏敬
   二 生命倫理の四原則と教育
   三 インフォームドコンセントと自律
   四 自己実現とケア倫理
第八章 社会の一員としての自覚と役割
   一 規範意識と法
   二 法と自由
   三 地域社会の住民意識と学校統合の問題
   四 地域社会の一員としての役割と道徳教育の環境づくり
   五 地域社会の先人に学ぶ道徳教育
第九章 大学における道徳授業の改善と対話法の導入
   一 なぜ道徳授業の改善が求められるか
   二 対話法と五分間ペーパーの活用
   三 対話法の根拠と価値判断
   四 学生をどう評価するか
第十章 「特別の教科 道徳」への期待と課題
   一 「特別の教科 道徳」への期待と現状
   二 道徳の授業と学校の教育活動全体との関係
   三 道徳の内容の相互関係と諸価値の体系
   四 「特別の教科 道徳」の検定教科書をどう使用するか
   五 児童生徒をどう評価するか
   六 年間の指導計画と毎週の授業の教材研究
   七 教員研修のあり方とその改善
   八 大学における教員養成の課題

商品の詳細

ISBN: 9784779304569
判型: A5
ページ数: 310
ジャンル: 教育
刊行年: 2015年7月

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