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令和新時代における道徳科教育の具体的な実践枠組みを構想し、新たな展開を提唱する。
〈執筆者紹介〉 田沼 茂紀 TANUMA Shigeki 上越教育大学大学院学校教育研究科修了。國學院大學人間開発学部初等教育学科教授。専攻は道徳教育学、教育カリキュラム論。 川崎市公立学校教諭を経て高知大学教育学部助教授、同学部教授、同学部附属教育実践総合センター長。2009年より國學院大學人間開発学部教授。同人間開発学部長を経て現職。日本道徳教育学会理事、日本道徳教育方法学会理事、日本道徳教育学会神奈川支部長。小・中学校道徳科教科書『きみがいちばんひかるとき』(光村図書)編集著作代表。
〈目次〉
はじめに
第1章 道徳科教育学の基礎づけ 第1節 道徳教育新時代における道徳科教育学定立の背景 1 学校教育としての「道徳教育」で目指すのは道徳性の育み 2 学校教育の営みが道徳教育そのものであることの吟味 3 学校教育における道徳教育の義務づけ 第2節 道徳教育を「学」として学ぶための基礎的事項の理解 1 人間にとって「道徳」とは何か 2 倫理・法律・宗教と道徳との関係性 3 道徳性と社会性の違いとは何か 第3節 道徳科教育学と道徳教育学の相互補完的関係 1 学校教育は即道徳教育であるとするための必須要件 2 道徳教育で目指す道徳性形成の道筋についての共有 第4節 道徳科教育学の定立を基礎づけるディシプリン 第5節 道徳教育学と道徳科教育学との位置関係
第2章 わが国道徳教育の推進構造についての理解 第1節 学習指導要領から概観するわが国の道徳教育 1 道徳教育の目標としての道徳性の養い 2 道徳科で目指す道徳的判断力・心情・実践意欲態度の育成 第2節 道徳科で培う道徳的資質・能力の総体としての道徳性 1 道徳性の構造とその諸様相 2 道徳性形成を裏付ける道徳的資質・能力 第3節 道徳科で取り上げる道徳的価値内容 第4節 道徳科で育む実効性の伴う道徳的実践力 1 論理的実効性が伴う道徳性を育む多面的・多角的な視点 2 自己の生き方や人間としての生き方を深める対話 3 道徳的発露としての道徳的実践力と道徳科教育学の視点
第3章 道徳科教育推進のための基礎的な理解 第1節 わが国の道徳教育が今日まで歩んだ足跡 1 修身科時代における道徳教育 2 戦後道徳教育不振と道徳教育忌避勘定 3 「道徳の時間」から「特別の教科 道徳」へ 第2節 諸外国における道徳教育推進状況の俯瞰 1 アジア地域における道徳教育 2 ヨーロッパ地域における道徳教育 3 米国における道徳教育 第3節 道徳科を支える道徳性発達諸理論 1 道徳性発達の基本的な考え方 2 道徳性発達に関する諸理論 第4節 道徳性形成のための道徳科授業アプローチの検討 1 道徳科授業を担う道徳教育方法学的アプローチの考え方 2 道徳教育方法理論についての三大潮流 3 道徳教育を担う教師の役割と実践的指導観
第4章 道徳科教育学構想の視点とその実践方略 第1節 道徳科教育学の視点からの授業づくり 1 新たな生活様式に向けた子どもの道徳学習の創造 2 道徳性発達の視点からの道徳的成長サポート 3 道徳科で培う道徳的資質・能力とは何か 第2節 道徳科が「特別の教科」であることの意味 1 特別な教科「道徳科」をどのように捉えるのか 2 教科型道徳科授業を具現化するための基本方略 第3節 道徳科教育内容構成学が果たす役割と教育的意義 1 道徳科で取り上げる学習内容を学問的視点から捉える 2 道徳科の内容構成とパッケージ型ユニット 3 パッケージ型ユニットによる学習ストーリーの構成 4 道徳科年間指導計画へのパッケージ型ユニットの位置づけ 5 指導計画は大単元から中・小単元へ 第4節 道徳科教育方法学が果たす役割と教育的意義 1 道徳教育から道徳科教育への転換 2 道徳科授業充実のための方法論的視点 3 「本質的道徳理解」へと深める「問い」の意味 4 教科教育型授業としての課題探求型道徳科授業の考え方 第5章 課題探求型道徳科学習指導案の具体的構想と今後の検討課題 第1節 課題探求型道徳科学習指導案の必然性 1 子供が自らの日常的道徳生活をメタ認知 2 指導案モデル例とその内容項目構成 第2節 道徳科が克服すべき今後の教育的課題 1 未来志向的な道徳科教育学を構想するための課題 2 日本学術会議が指摘する道徳科の諸課題 3 総括―未来志向型の道徳科教育学定立の必然性 あとがき
資料編 人名索引 事項索引
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