現代文化への社会学 高野光平・加島卓・飯田豊編著 - 北樹出版の大学教科書

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現代文化への社会学

現代文化への社会学
90年代と「いま」を比較する
高野光平・加島卓・飯田豊編著
林田新・田中里尚・池上賢・光岡寿郎・富永京子
価格: 2,000円+税

商品の紹介

メディア・趣味・現場の三側面から現代文化の具体的文化事例を取り上げ、ネット以前の1990年代と現在を比較しつつ、日常生活になくてはならない現代文化について、その仕組みを具体的に読み解いた。

【編者】
高野光平・茨城大学教授(『昭和ノスタルジー解体:「懐かしさ」はどう作られたのか』晶文社、2018年等)
加島卓・東海大学准教授(『オリンピック・デザイン・マーケティング:エンブレム問題からオープンデザインへ』河出書房新社、2017年等)
飯田豊・立命館大学准教授(『テレビが見世物だったころー初期テレビジョンの考古学』青弓社、2016年等)



第1部 メディア
第1章 モバイルメディア:公衆電話が架橋した〈声の文化〉と〈文字の文化〉
 1.「つながりっぱなしの日常」をとらえなおす
 2.公衆電話に媒介された〈声の文化〉:「用件電話」から「おしゃべり電話」へ
 3.公衆電話に媒介された〈文字の文化〉:ポケベルからケータイへ
 (1)ポケベルと公衆電話 (2)テレホンカードの活躍 (3)ポケベルからケータイへ
 4.「つながり」のメディア史

第2章 カメラ
 1.スマートフォンとカメラ
 2.小型化・自動化するカメラ:1990年代までのカメラの発展
 3.融合するカメラ:2000年代以降のカメラ
 4.カメラと私たちとの関係をどう考えるか

第3章 テレビと動画:ネットがテレビを乗り越えるまで
 1.「テレビ対ネット」という構図
 (1)若者のテレビ離れ (2)「対テレビ」がネット文化の基礎をつくった
 2.愛と敵意:初期のネットとテレビの関係
 (1)「映像にツッコむ」作法の起源 (2)「感動」と闘争するネット住民たち
 3.新しい動画文化の成立:「対テレビ」を超えて
 (1)ニコニコ動画とYouTube (2)テレビとネット動画との新しい関係性とは
 4.動画と私たちの関係をどう考えるか

第4章 インターネット:大学生文化としてのWeb1.0
 1.古いウェブページが新しかった頃
 2.Web1.0の時代:新しい「メディア」としてのインターネット
 (1)それは大学から始まった (2)雑誌からインターネットへ
 3.Web2.0の胎動:「メディア」から「プラットフォーム」へ
 (1)ウェブ日記とランキングサイト(2)レンタル日記サービスからブログへ(3)インターネットの中年化
 4.インターネットの閉塞感をこえて

第2部 趣 味
第5章 音楽:CDを売る時代から体験を売る時代へ
  1.インターネット時代の音楽文化
 (1)CDが売れない時代 (2)音楽をめぐる「体験」の消費
 2.メガヒットの1990年代
 (1)音楽文化は時代によって変わる(2)メガヒットの状況(3)メガヒットの背景と終焉
 3.ネット以前/以後の連続と断絶
 (1)1990年代と現在のさまざまな連続性(2)1990年代と現在の断絶:「音楽に詳しいこと」の意味の変化
 4.音楽文化をどのようにとらえるか

第6章 ファッション:リアルな身体表現からバーチャルな身体表現へ
 1.「見かけ」を気にする人びとのファッション離れ
 (1)ファッション業界の苦境(2)ファッションへの関心は低下したか?
 2.差異化過剰の90年代ファッション
 (1)ファッションの混沌の舞台としての「渋谷」(2)個性が共演する舞台としての「原宿」
 3.二重化する身体像の2010年代
 (1)2000年代における差異化性向への反動 (2)身体が周縁化した時代のファッション
 4.ファッションをどうとらえるか

第7章 マンガ:媒体と作品の多様化
 1.気楽/気軽に楽しめるマンガ 日常生活にあふれるマンガ
 2.マンガの1990年代:社会集団としての読者
 (1)戦後マンガ史(2)1990年代のマンガ(3)1990年代の変化
 3.マンガの変化を考える:より自由なアクセスへ
 (1)媒体の変化・作品数の増加・語る場の獲得(2)社会集団としての消費から、個人としての消費へ
 4.マンガの分析視座:内容分析と読者分析

第8章 ゲーム:「バーチャル」から「日常」へ
 1.コンピュータゲームと社会
 (1)ゲームは世代を超えて(2)大きく変化した「ゲームの社会性」
 2.バーチャルへの恐怖と期待:1990年代のゲーム
 (1)1980年代までのゲーム有害論(2)バーチャルの弊害 (3)プリクラ・たまごっち・ポケモンの可能性
 3.ゲーム的な日常のなかで
 (1)生活がゲーム化した2010年代(2)専用機からスマホとWebへ
 4.ゲーム文化を考えるには

第9章 アート:美術館から日常へ
 1.日常化するアート
 (1)街でアートと出会う(2)SNSでアートをながめる 
 2.「アートを見ること」の舞台裏
 (1)企業というパトロン:美術館からイベントへ(2)社会的コストとしてのアート
 3.国際芸術祭というレンズ
 4.アートの平凡さと向きあう

第10章 スポーツ観戦:グローバル化・ローカル化・物語化
 1.スポーツ観戦の歴史的な変化
 2.グローバル・ローカル・感動:1990年代のスポーツ
 (1)グローバル化:メジャーリーグとヨーロッパサッカー(2)ローカル化:Jリーグ発足とプロ野球再編
 (3)物語化:「感動をありがとう」と「キャラづけ」
 3.現場とネット:現在のスポーツ文化
 (1)「選手の個性」と「現場主義」が生み出した新しい流れ(2)ネットの発達とスポーツ観戦
 4.私たちはスポーツの何を楽しんでいるのか

第3部 現 場
第11章 夏フェス:参加者の「成熟」とは何か
 1.「マンネリ化」といわれるが・・・
 2.1990年代:「夏フェス」の誕生
 3.2000年代:フェス文化の諸相
 (1)メディア・イベントとしてのフェス(2)「山遊び」としてのフェス(3)観光とまちづくりとしてのフェス
 (4)プラットフォームとしてのフェス
 4.プラットフォームの逆説

第12章 社会運動:暮らしを通じた「らしくない」社会変革の試み
 1.「社会運動」って何?
 (1)社会運動は「近寄りがたい」?(2)日本人と社会運動
 2.1990年以降の社会運動をめぐる二つの方向性
 (1)過激でなく、古臭くない社会運動(2)「個人化」のなかの社会運動
 3.ライフスタイルをめぐる社会運動:1990年代と2000年代以降
 (1)個人の「だめ」は社会の問題?(2)「素人の乱」が示した労働のあり方(3)グローバル化のなかの「キャンプ」
 4.1990年代以降のライフスタイル運動から見えてくるもの

第13章 書店:邪道書店の平成史
 1.現在の風景
 2.書店の本道
 3.邪道書店の90年代
 (1)コンビニ(2)ブックオフ(3)ジュンク堂(4)ヴィレッジヴァンガード
 4.TSUTAYAと個性派書店の現在

第14章 ショッピング:商業ビルが倍かい媒介する文化の変容
 1.百貨店からショッピングモールへ?
 2.ファッションビルが尖っていた時代
 (1)百貨店とショッピングセンターの効率主義(2)ファッションビルの文化戦略
 3.ジャンルの融解
 (1)「高感度」から「ほどほど感覚」へ:90年代以降の丸井(2)効率化するファッションビル
 4.二項対立をずらしてみる

第15章 外食:セルフサービスの空間と時間
 1.現在の風景
 2.外食産業の歴史
 3.空間と時間のサービス
 (1)ファミリーレストランという空間(2)ファミリーレストランにおける時間
 4.セルフサービスと社会学

商品の詳細

ISBN: 9784779305870
判型: A5並
ページ数: 192
ジャンル: 社会
刊行年: 2018年11月30日

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